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【パリオリンピック2024】体操男子団体決勝【見逃し配信用”世界最速”レポート】

【パリオリンピック2024】体操男子団体決勝【見逃し配信用”世界最速”レポート】

みなさん、こんにちは。

体操専門プロコーチの小谷くんぺいです。
現在は香港で現地の子どもたちと大人へ体操の指導を行っております。

パリオリンピック2024、盛り上がってきております。

そして2024年7月29日17時30分(パリ時間)いよいよ体操男子団体は決勝を迎えました。

その激闘をリアルタイムでレポートいたします。

ぜひこちらのレポートを読みながらNHK+で見逃し配信をお楽しみください!!

読み進めるその前に・・・

みなさん、体操ニッポンの公式応援ソングをご存知ですか?

そうです!
『エンドレス・ジャーニー · GENERATIONS from EXILE TRIBE』

ノリノリなこちらの楽曲をBGMにぜひ記事の内容をお楽しみください!

エンドレス・ジャーニー · GENERATIONS from EXILE TRIBE

【選手入場】日本チームの表情

左から橋本・萱・岡・杉野・谷川選手ら、非常に充実した表情を見せながら入場。

あとに続く中国チームの表情と比べると心理的な余裕を審判や会場の観客に感じさせただろう。

さぁ期待感が高まる。

第1ローテーション【ゆか】

【先攻】
中国・演技者(演技順)
①XIAO Routeng/②ZHANG Boheng/③SU Weide

【後攻】
日本・演技者(演技順)
①KAYA Kazuma/②HASHIMOTO Daiki/③OKA Shimnosuke

【ウォーミングアップを見てひと言】
国際映像に抜かれたのは橋本、岡、萱選手の順番であった。彼らは冷静なウォーミングアップを見せていた。

【中国】演技順①XIAO Routeng

トップバッターは中国チームのベテランXIAO。
着地は動くが大きなミスはなかった。
雑さが目立つ演技となるがバトンはつないだ。

13.966

【日本】演技順①KAYA Kazuma

対する日本チームは不動のトップバッター萱和磨。
全体的なできばえは75~85点といった印象。
だがラストの後方宙返り3回ひねりの着地を止めることでチームに勢いをもたらした。
それが彼の強み。頼もしいトップバッターの役目をつとめた。

14.000

【中国】演技順②ZHANG Boheng

中国エースの登場。
高難度技をひとつの演技に3つ行う世界トップレベルの演技を完遂。

14.233

【日本】演技順②HASHIMOTO Daiki

日本の超エースの登場。
顔つきから予選とは違うとはっきりわかる。
手を上げた時の姿勢は自信がみなぎった印象を与える。

全コース腰の高い着地をアピールできた。
3人目の岡選手にバトンをつなぐ。

14.633

【中国】演技順③SU Weide

中国3人目演技者。
現地の練習で怪我をした選手の代役で出場。
長身の選手で技がひとつひとつダイナミック。
だが着地の精度はいまいち上がりきらず後方宙返り3回ひねりでフィニッシュ。

14.333

中国
第1ローテーション
チーム得点
42.532

【日本】演技順③OKA Shimnosuke

日本チーム3人目演技者。
おそらく予選の安定感から最終演技者に大抜擢。

落ち着いた助走からの伸身ムーンサルトを決めて審判に岡らしさをアピール。
演技中盤の体操系の技は気持ちの良いスムーズな動きで完遂し、目標の難度点を獲得。

最終技の後方宙返り2回半ひねりをバッチリ止めて岡選手、思わず笑みがこぼれた。

14.633

日本
第1ローテーション
チーム得点
43.266

中国との得点差
+0.734のリード

第2ローテーション【あん馬】

【先攻】
日本・演技者(演技順)
①KAYA Kazuma/②SUGINO Takaaki/③HASHIMOTO Daiki

【後攻】
中国・演技者(演技順)
①ZOU Jingyuan/②ZHANG Boheng/③XIAO Routeng

【日本】演技順①KAYA Kazuma

失敗しない男が登場。
全体的に力をつかう技さばきであったが彼の強みは旋回の姿勢で懐を深くすることで腕を体の中央に置き続けられることである。
それはつまり修正力につながる。

14.366

【中国】演技順①ZOU Jingyuan

中国1人目。
開脚旋回が多用される近年において閉脚旋回のみで行う演技は目を引く美しさを印象付ける。
当然のようにミスを出さず落ち着いたフィニッシュ。

14.800

【日本】演技順②SUGINO Takaaki

日本2人目の演技者。

技のデパート杉野。
彼の代名詞である片腕支持の旋回技のとき、観客の歓声がひと際大きくなりバランスを崩しそうになるが
気合で修正する。

14.866

【中国】演技順②ZHANG Boheng

中国チーム2人目。
E難度の技をおこなわず無難にまとめる戦術を見事完遂。
技をおこなわないという選択は決して簡単になるということではなく
演技のリズムを変更するということなので失敗のリスクはなくあるわけではない。

14.433

【日本】演技順③HASHIMOTO Daiki

日本チーム3人目。
序盤の流れは良かったが途中の振動倒立技で力を使う。これが演技の流れを乱すこととなった。
直後のひとつの把手上で回る技でバランスを崩して落下。
しかし気持ちを立て直し演技を再開。最後まで演技を通し切りミスを最小限にとどめた。

オリンピックの魔物が忍び寄る。

13.100

日本
第2ローテーション
チーム得点
85.598

中国との得点差
-0.5


【中国】演技順③XIAO Routeng

中国チーム3人目。
手堅く失敗しない演技という手札を持つ中国の恐ろしさを見せつけた。

14.333

中国
第2ローテーション
チーム得点
86.098

第3ローテーション【つり馬】

【先攻】
中国・演技者(演技順)
①ZOU Jingyuan/②ZHANG Boheng/③LIU Yang
【後攻】
日本・演技者(演技順)
①KAYA Kazuma/②OKA Shimnosuke/③TANIGAWA Wataru

【中国】演技順①ZOU Jingyuan

中国1人目。
正確無比な力技の角度を披露。そして独特な姿勢での力技を操りDスコアは世界トップレベル。
今回も演技を完遂して予選よりも得点を伸ばした。

14.933

【日本】演技順①KAYA Kazuma

日本チーム1人目。
失敗しない漢、登場。

前ローテーションでの悪い流れを断ち切るような力強いホンマ十字懸垂とアザリアンは
どちらも肩の高さの減点を最小限にとどめるような実施。

最後のF難度の終末技を気合で動かずフィニッシュ。

14.000

【中国】演技②ZHANG Boheng

中国チーム2人目。

乱れのない振動技と減点されにくい力技の姿勢で3人目へバトンをつなぐ。

14.833

【日本】演技順②OKA Shimnosuke

日本チーム2人目。
20歳の新星はオリンピックを心から楽しんでいるように見える。

課題となる力技の持ち込みは及第点の実施を死守。
着地を止めた。

14.133

【中国】演技③LIU Yang

中国チーム3人目。
現つり輪世界王者の登場。

十字倒立を世界一理想的な姿勢でおこなう。

予選よりもDスコアを上げて日本チームを引き離した。

15.500

第3ローテーション
チーム得点
131.364

【日本】演技順③TANIGAWA Wataru

日本チーム3人目。
つり輪のポイントゲッター登場。

中国のLIUのあとの演技順というハンデを負う中でも力技を攻めた角度で実施した。
終末技の着地をあきらかに止めたことは審判に好印象だったはずだ。

14.500

第3ローテーション
チーム得点
128.231

中国チームとの差
-3.133

第4ローテーション【跳馬】

【先攻】
日本・演技者(演技順)
①SUGINO Takaaki/②HASHIMOTO Daiki/③TANIGAWA Wataru

【後攻】
中国・演技者(演技順)
①XIAO Ruoteng/②ZHANG Boheng/③Su Weide

【日本】演技順①SUGINO Takaaki

日本チーム1人目。
初出場組のスペシャリスト杉野。

吹っ切れた表情から助走。
ロペスを豪快に決めた。

14.700

【中国】演技①XIAO Ruoteng

中国チーム1人目。
大技のロペスを淡々と決めた。

14.800

【日本】演技順②HASHIMOTO Daiki

日本チーム2人目。
エース橋本。チームの流れを変えるロペスに挑み着地をまとめる。

個人総合世界王者の意地を見せた結果となった。

14.900

【中国】演技順②ZHANG Boheng

中国チーム2人目。
ロペスで着地姿勢の頭が低く前に少しはずむ。
2位以下を引き離す実施を見せる。

14.533

【日本】演技順③TANIGAWA Wataru

日本チーム3人目。
跳馬のキーパーソン。最高難易度のリ・セガン2に挑んだが
回転不足と姿勢欠点から目標の難度が認められず得点を伸ばせなかった。

13.833

日本チーム
第4ローテーション
チーム得点
174.664

中国チームとの差
-1.799

【中国】演技順③Su Weide

中国チーム3人目。
難度が低い技をまとめに行ったがひねり不足と着地での乱れで大きく減点を受けた。

12.766

中国チーム
第4ローテーション
176.463

第5ローテーション【平行棒】

【先攻】
中国・演技者(演技順)
①XIAO Routeng/②ZHANG Boheng/③ZOU Jingyuan

【後攻】
日本・演技者(演技順)
①KAYA Kazuma/②OKA Shimnosuke/③TANIGAWA Wataru

【中国】演技順①XIAO Routeng

中国チーム1人目。
背中に鉄板が入っているような倒立から繰り出される多彩な技は
棒上の豪快な回転技を決めた。

14.733

【日本】演技順①KAYA Kazuma

日本チーム1人目。
魂の漢、萱和磨。

彼は団体決勝では最後の演技となった。
予選で見せた素晴らしいできばえの演技をこの緊張感で完全に再現した。
萱選手のバトンは確実に2人目へとつながった。

14.733

【中国】演技順②ZHANG Boheng

中国チーム2人目。

張り詰めた緊張感の中でもなお技ひとつひとつに意識を研ぎ澄ました実施だった。


15.100

【日本】演技順②OKA Shimnosuke

日本チーム2人目。
物凄いプレッシャーから浮ついた実施になってしまう場面でも
肝が据わった演技を披露した。

最後の着地も低くなったが不動。


14.866

【中国】演技順③ZOU Jingyuan

中国3人目。
平行棒の伝説。

技と技を区切るようなメリハリがある実施。
珍しく着地で一歩うしろへ。

16.000

中国チーム
第5ローテーション
219.296

【日本】演技順③TANIGAWA Wataru

日本チーム3人目。

今日の彼はとにかく着地だった。
彼の最後の出場種目となった平行棒では完璧な着地を見せた。

彼の意志は最終種目の鉄棒へと引き継がれた。

14.766

日本チーム
第5ローテーション
216.029

中国との差
-3.267

第6ローテーション【鉄棒】

【先攻】
日本・演技者(演技順)
①SUGINO Takaaki/②OKA Shimnosuke/③HASHIMOTO Daiki

【後攻】
中国・演技者(演技順)
①XIAO Ruoteng/②Su Weide/③ZHANG Boheng

【日本】演技順①SUGINO Takaaki

日本チーム1人目。

金メダルを獲るつもりでにぎったそのバーは杉野を高く空へと導いた。
最高の漢気を見せた演技で着地までまとめた。

14.566

【中国】演技順①XIAO Ruoteng

中国チーム1人目。

緊張感が伝わる演技。
着地も大きく前にはずむ。膝をつきかけた。

13.433

【日本】演技順②OKA Shimnosuke

日本チーム2人目。

全身が身震いしてもおかしくない状況で倒立になる2つの技をきめて手放し技のコールマンもつかんだ。
着地で前に一歩出たが、彼の持つ力を十分に発揮できた演技だった。

14.433

【中国】演技順②Su Weide

中国チーム2人目。

ここでオリンピックの魔物が彼に牙をむく。

2度の落下。

悪夢の鉄棒。

メダル争いは最後の最後までもつれることに。


11.600

【日本】演技順③DAIKI Hashimoto

日本チーム最終演技者。

この時点での中国との得点差
0.699

緊張でこわばる口元。

でもどこか視線は炭酸マグネシウムをつける手元ではなく少し先にある
鉄棒を見据えていた。

そして、演技がはじまった。

いつもよりも固い車輪からリューキンを繰り出す。
体のねじれをもろともせずバーを取りにいった。

つづく手放し技も危なげなく成功。

終末技まで技はのこりあと一つ。

ホップターン、、、そして


立った!!!!

それだけで十分!!!


14.566

日本チーム
第6ローテーション
259.594

中国との差
+0.532

【中国】演技順③ZHANG Boheng

中国チーム最終演技者。

絶対に失敗できない状況。しかも彼はこの日すべての種目に出場していた。

中国チームはメンバーの怪我というハンデを背負いながら第5ローテーション終了時に
2位以下と3点以上もの差をつけていた。

その優位が一気に目の前で崩れた現実を見ていた彼は何を思い鉄棒へ向かったのだろうか。

演技が始まる。

動きの硬さが気持ちと体のジレンマを想像させる。

そして終末技、、、

うしろに一歩。

14.733


中国チーム
第6ローテーション
259.062

体操ニッポン2大会ぶりの団体金メダル奪還!!

体操ニッポン、ついにリオデジャネイロオリンピック2016ぶりに団体金メダルを獲得した。

キャプテンの萱和磨選手は体操ニッポンが最後に手にした団体金メダルを補欠として観客席から見ていた。

彼はそこから約8年間この日を夢見ていた。

そしてついに彼は夢を叶えた。

この8年間、会心の演技の度に魂の叫び声を上げながらそれが言霊となり
今日の競技会場でも日本チームの精神的支柱となった。

彼のまっすぐに向き合う体操人生が報われたことが個人的にはとても感慨深かった。

体操ニッポン次なる目標は・・・

※この章については体操競技全日程が終了後に執筆予定です

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