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香港で2か月間体操を指導して得た経験について

みなさん、こんにちは!

体操専門プロコーチの小谷くんぺいです。

私は香港に移り住み、現地の子どもたちと大人に向けて体操を指導しています。

2024年5月末に香港の体操クラブで仕事を始めて丸2か月が過ぎました。

たったの2か月、周りはそう思うかもしれませんがかなり多くの気づきがあったのは事実です。

それらが経験として自分の中で浄化される前にありのままの気持ちをここに残しておきたいと思います。

読み進める前に、、、



『翔』ゆず

この曲は私にとっての応援歌です。

出会いは2011年世界体操。
フジテレビのテーマソングに選ばれたこの曲は内村航平選手の大活躍を見事に表現しました。
そして日本代表チームの苦しい場面にもこの曲が力を与えたと思います。

もしも海外生活で辛いことがあった時はこの曲をぜひ聴いてみてください。
かならずあなたの背中を押してくれます。

海外で体操を指導している人に向けて書きます!!

もしもこれから海外で体操を指導してみたいと思う方がこの記事にたどり着いたとしたら先にお詫びします。

もしかしたら最後まで読むと海外に行きたいという気持ちがなくなってしまうかもしれません。

何かに挑戦するときはたいていの場合、知らないことが多いほうが楽しめます。

私もそのうちの一人でした。

だからあなたがもしも海外に挑戦しようと思っているのだとしたら
この記事はぜひ海外での活動が始まったあとに読んでみてください。

①言葉の壁

まず初めのテーマは「言葉の壁」です。

結論ですが「言葉の壁」はあります。

むしろ壁がなくてどうするんですか(笑)
それでは言語を勉強する理由がなくなってしまいますよ。

そして「なんとかなる」と言っている方、本心では「なんとかなっていない」と思っていますよね?

日々、コミュニケーションに問題や不安を抱えてそれを積み重ねていませんか?

この「感情の上塗り」、「噓の積み重ね」が言葉の壁そのものなのです。

正直に言います。

勉強しなかったら言葉の壁は乗り越えられません!!!

だから勉強するしかないんです。
毎朝起き抜けに単語帳開いて暗唱するしかないんです。
自分が選んだテキストの一字一句をノートに書き写すしかないんです。
ショートストーリーを音読するしかないんです。
鏡の前で発音の口を確認するしかないんです。
体操をテーマにしたポッドキャストを聴くしかないんです。

これでもまだまだ必要なんです。

私はぜんぶやっています。
いつだってほかの人にこれらの勉強をしていますとすぐに言えます。

そのレベルでやっと勉強をしていると言えるとおもいます。

でも結果は、毎日自分の表現が行き詰まり爆死です。

その夜はへこんで机に向かえません。
だけどYouTubeで体操選手のインタビューを見ることはできます。
ポッドキャストは聴くことができます。
鏡を見ながら母音の「ae」をいうだけでもいい。
言語に何かしら触れることはできます。

それを継続と言います。

これが「言葉の壁」です。

伝わるとか、伝わらないとかそんな次元ではありません。

気持ちは何をしていたって伝わるんです。

ただ、その先がありません。

必要なのは「言葉」。

これこそ人間の持つ力です。

だから必死に勉強します。

それをあなたも頑張っていると思うと私も頑張れます。

②指導の壁

つづいてのテーマは「指導の壁」です。

こちらも結論から言いますと指導の壁は「あります」。

はじめにお伝えしておくと私は中学2年生から高校3年生の終わりまで
当時の朝日生命体操クラブ(現・塚原体操センターもしくはバディ塚原体操クラブ)
に所属し、ほぼ毎日を体操の練習に費やしてきました。

ここまで読み進めているみなさんであれば
毎日が体操漬けという人生を送っていた時期が少なからずあるはずです。

しかしそのような体操漬けの環境はもはや過去の産物となりつつあります。

海外に行くとそれを生徒たちから痛いほど分からせられます。

私が10代の頃、当たり前のように考えていた以下の考え方は
もう今の子どもたちには当てはまりません。

「うまくなりたければ毎日やれ」




つまり私の言う「指導の壁」とは

指導者である私(そしてあなた)と
指導を受ける生徒たちの練習量の考え方の違いです。

教え方や指導の品質に問題があるのではありません。

なぜなら日本で体操をやりきった私たちの体操に対する知識と経験は間違いなく世界に通用するレベルだからです。

ただしそれをそのままコピー&ペーストすることは残念ながらできないのです。

もしも指導中に問題や困難があって落ち込むことがあっても決して自信を無くすことはありません。

日本の体操とそれを受け継いでいる自分に自信を持ってください。

ただ、つぎからは譲れるところは譲ってみましょう。

それはあなたの器を大きくします。

あなたの指導の受け皿を広げます。

体操でつまづきかけた子どもたちと大人たちを救うための力になります。

③文化の壁

最後は「文化の壁」です。

もちろんですが壁はあります。

なぜ壁が生まれるのか。
それは文化を人から学ぼうとしているからです。

人から学べるのは文化というより習慣です。

習慣と習慣の掛け合わせが文化となるのですが
あなたの習慣を掛け合わせるには時間が必要です。

文化は歴史から学ぶ必要があります。

どうやってこの国は成り立っているのか。

なにがこの国の原動力なのか。

この国の繁栄の背景には何があったのか。

体操が普及している国はすべからく国として豊かな地域です。

その豊かさのうえで成り立っている体操というスポーツを指導するならば
土台となっている国の歴史というのに関心を向けるべきです。

休日に博物館でも行きましょう。
公園で植えられている木々や生息している動物を鑑賞しましょう。

それらからこの国の風土に思いをはせましょう。

何かが見えてくるはずです。

壁にぶつかってばかりの男は3か月目に突入する

実はこの記事を書いているとき私は日本に一時帰国しておりました。

日本という国をもう一度知るための研修が必要だと思った私は
日本にいる間、歴史博物館や公共施設を回りました。

素晴らしいシステムと調和は日本ならではです。

すべての物や事に対して「なぜ今ここにあるのか」を真剣に考える時間が私には必要だと思います。

いままでの受け取るだけの立場から卒業するタイミングが来ました。

それでは帰国便に時間が迫っています。

またお会いしましょう!!

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